麻酔の変遷

October 02, 2017

医療従事者は、コストを削減しつつ治療の質と有効性を改善するプレッシャーに常にさらされています。患者管理を標準化することは、サービスをより合理化するために理にかなったものです。麻酔は、このアプローチの採用を始めている分野のひとつで、入院期間を最小限に抑えつつ患者ケアの質と有効性を改善するために、局所神経ブロックと超音波ガイドを組み合わせています。

ドイツのジーゲンにある地方病院の麻酔科チーフレジストラである Martin Zoremba 博士(PhD)は、この麻酔科における変化と標準化に向けたアプローチがもたらすメリットを次のように説明しています。

外来手術は、患者ケアと満足度を改善し費用を抑えるために医療行為がどのように変化しているかを示す良い例です。全身麻酔に代えて局所神経ブロックを用いるこのアプローチは、多くの小規模手術を実施する上で、より効果的な方法として広く認知されています。これにより回復時間が短縮されるため、しばしば患者の日帰りが可能になるほか、全身麻酔による合併症のリスクを回避し、術後により優れた疼痛コントロールを提供できます。

また、局所ブロックはリスクの高い患者のための安全性を向上させ、管理を簡易化できるため、緊急を要する外傷患者への治療介入において特に有用な技術です。

このような利点にもかかわらず、ヨーロッパでは多くの病院で局所麻酔が完全に活用されていません。その理由は、迅速かつ効果的な局所ブロックをおこなうために必要なポイントオブケア(POC)超音波画像診断装置のための資金不足、ワークフローに関するメリットの理解不足、そして、すでに確立された方法を変更することに対する麻酔科内外からの抵抗など、様々です。

Martin Zoremba 博士はこのアプローチの主な支持者で、超音波を利用した局所麻酔と周術期の血行動態についてギーセン・マールブルク大学病院から博士号を取得しています。2015年にジーゲン地域病院に移籍して以来、同博士は麻酔科のプロトコルを徹底的に見直し、POC 超音波画像診断装置を局所麻酔に導入し、多くの部門のプロトコルを標準化しました。

Zoremba 博士はこう述べています。「私が着任したときは部分麻酔はほとんど実践されておらず、POC 超音波画像診断装置は使われていませんでした。マールブルクでの経験から、私はこのアプローチが患者ケアと科内のワークフローの双方にもたらすメリットを知っていました。そこで、超音波ガイドによる局所麻酔を実施するため、直ちに麻酔チームの訓練を始めました。また、いつ、どのように超音波画像診断装置を使うべきかなど、この科における私たちの仕事の多くについて標準業務手順書(SOP)を作成しました」

1 年も経たないうちに、麻酔科では処置の大部分が部分麻酔に切り替えられました。麻酔科のオペレーションがこのように劇的に変化したことで、当初は抵抗もありましたが、メリットはすぐに理解されました。

Zoremba 博士は説明します。「SOP によって、正しいプロトコルが全員にとって明確になり、意思決定プロセスは簡易化され、患者のフローの改善に役立ちます。これにより、常に一貫して高水準のケアを保ち、個々の患者のニーズを満たしながら効率的に麻酔科を運営することが可能になりました。この種のアプローチに向けた変革を成功させるには、スタッフと経営陣の双方からの承認と、当初からの明確なゴールが必要です。

例えば私たちの科では、超音波ガイドによる局所麻酔への切り替えと疼痛コントロールに関する、経済的な観点での議論が非常に明確でした。患者は毎日 1 人あたり約 500 ユーロを病院で費やします。入院期間がほんの 1 日短縮されるだけで、私たちが 1 年間に治療する 3,000 ~ 4,000 人の整形外科および外傷の患者について 100 万ユーロ以上の節減効果があります。同様に重要な点として、私たちが実施した変更が患者の満足度向上とより円滑な患者フローにつながりました。そのためスタッフにはそのメリットがよく理解できました。

Zoremba 博士は、この迅速な転換の特徴として、集中トレーニングプログラムと、同科にある SonoSite X-Porte のような POC 超音波画像診断装置の使いやすさを挙げています。

「私たちは、『ランドマーク』に基づく解剖学的アプローチを採用しており、超音波画像診断装置の初心者ユーザーでも素早く神経を見つけて注射部位に針を誘導できます。SonoSite X-Porte の優れたリニアトランスデューサーを用いて、これを面内技術と組み合わせているため、経験の浅いユーザーにとっても針が非常に見やすくなっています。

非常に深いブロックや坐骨神経ブロックも含め、99 %以上のブロックをすべてこの方法でおこなうことができます。これは迅速かつ効果的で神経刺激装置の使用を避けられるため、患者の快適性が向上します。この科の麻酔医は皆この方法でトレーニングを受けており、この科にくる新人ジュニアドクターも、超音波ガイドによるブロックについて上級の医師とマンツーマンのトレーニングをおこなう 3 週間の POC 超音波の集中特訓を受けます。

私たちの X-Porte システムは理想的な教育ツールで、麻酔市場で最も競争力の高い機器のひとつでもあります。タッチスクリーンによるインターフェースも非常に優れていて、画像の最適化が容易な上、洗浄も非常に容易です。同様に重要な点として、この超音波画像診断装置には汎用性があり、他種の超音波スキャン、特に外傷患者の血行動態管理のための経胸壁心エコー検査(TEE)の実行も可能です。

X-Porte を用いた周術期の TEE 評価は容易に導入することができ、そのため、最適化されて個々の患者に特化したリスク管理と治療が可能になります。これにより、患者に対する麻酔の過剰負荷を避け、回復時間と入院期間を短縮します。また、術後の集中治療の要するリソースへのプレッシャーを軽減する上でも役立ちます。それは患者と病院の双方にとって有益です。

ワークフローのほんの小さな要素を変えることでも、部門全体にメリットをもたらすことができます。多くの麻酔科のリーダーの方たちも同じように考えていたことでしょう。残念ながら、長期にわたり確立された個々の手順を変えることへの抵抗が、大きな障壁となる場合があります。優れたアイデアの多くが、内外のリソースやサポートがないために導入されませんでした。」

これに対処するため、Zoremba 博士のチームは最近、新しい麻酔ワークショップを開発しました。博士はこう述べています。「私たちの知る限り、これは POC 超音波スキルの導入に焦点を当てた、ヨーロッパで唯一のワークショップです。

超音波画像診断装置の理論的・実践的トレーニングを変更管理に関するセッションと組み合わせることで、より多くの麻酔科が局所麻酔のメリットを得られるようになるでしょう。」

SonoSite X-Porte の詳細を見る

麻酔針の配置に超音波ガイドを活用している麻酔医は、血管穿刺の減少、疼痛管理薬の有効性向上、直観的なタッチスクリーンインタフェースを実感しています。また、SonoSite X-Porte の直観的なタッチスクリーンによるインタフェースを用いて、麻酔医は各自のニーズに合わせてユーザーインタフェースを容易にカスタマイズできます

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