ゾウの治療のための超音波装置

April 10, 2019

インドと東南アジアは絶滅の危機にあるアジアゾウの生息地ですが、その数は密猟と生息域の破壊により急速に減少しています

ミャンマーでは現在約 5,000 頭の野生のゾウがおり、それとは別に木材産業で材木を運んでいるゾウが 3,500 頭います。しかし新たな規制の下ではこのゾウの利用は禁止されます。「失業した」8 頭のゾウが現在グリーン・ヒル・バレーでケアを受けています。ゾウに重要な獣医のケアを提供しながら、住民と訪問者を教育する使命にある地元の公園です。Elephant Taxon Advisory Group の獣医アドバイザーであるウィリアム・シャフトナール氏はこのプロジェクトを支援し、地域の獣医に対してポイント・オブ・ケア超音波機器(POCUS)を使用して野生下、捕獲時、および保護区域のゾウを監視する方法を指導するワークショップを最近開催しました。

私はゾウを含むさまざまな動物を相手に、その健康と福祉を促進しながら長年仕事をしており、世界中で様々な慈善プロジェクトに深く関わってきました。Vietnam Elephant Initiative の仲間たちと共同でワークショップを最近開催しましたが、それはかなりの成功を収め、インドネシア、ネパール、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、スリランカ、インド、そしてもちろんミャンマーから多くの参加者を招きました。プロジェクトの目的は、ゾウの医療やその手法についての知識を共有することでした。これにはそれらの国々では普段見ることはない POCUS の紹介も含まれ、参加者たちに超音波技術を使って何が行えるのかを示しました。

ワークショップは、私の同僚と21人の参加者(象の飼育係、またはゾウ使い、獣医が構成し、全員が野生の象、救助された象、飼育下の象と仕事をしている)に、アイデアや経験について話し合うためのプラットフォームを提供しました。 私たちは Fujiflim SonoSite 超音波画像診断装置を携えていき、ゾウの治療における超音波装置のさまざまな利用法を説明し、参加者がハンズオンの体験ができるようにしました。

SonoSite システムの高いポータブル性によりインタラクティブなワークショップの開催が可能になり、参加者はとても熱心に超音波スキャンに触れたり、参加することに非常に興奮していました。このようなセッションを開催するメリットの 1 つは、参加者に質問する機会が与えられるということです。たとえば、参加者の 1 人はゾウに注射するのに最適な部位はどこかと質問しましたが、それをきっかけに超音波システムを使用してさまざまな部位の皮膚の厚さを調べる方法を示すことができました。キャンプでは、8頭のゾウに接することができました。これらのゾウは全員、ケアや陽性強化を受けているので、デモに使用することが出来ました。

 

全員が順番に超音波装置を試し、そのシステムが直感的に使用できることや多様に活用できることに皆とても感銘を受けていました。超音波装置はゾウの一般的な監視にも素晴らしい性能を発揮し、SonoSite システムの丈夫な造りはそのような大きな動物への使用にうってつけです。ほとんどは密猟者が原因で負ってしまう怪我も、原野の道路沿いで診断することができ、ゾウが撃たれたのであれば銃弾の跡も追跡できます。超音波装置を使用して銃弾を突き止める方法を、銃撃で負傷した 12 歳のゾウで実演し、命を脅かす感染症を防ぐために傷口を確実に洗浄することも出来ました。

ワークショップで診断した別のゾウは、野生のオスのゾウに何年も前に攻撃され、それ以来脇腹におおきなこぶがありました。超音波装置を使用して、1 分以内にそのゾウには皮膚と直接接するところに腸が出てきてしまっているヘルニアがあることを突き止めました。ゾウ使いはそれを 10 年も気付いていませんでした。問題が診断されたら、臨床的な不快感があるかどうか、または治療が必要かどうかを確認し、すぐに健康上のリスクがあるかどうかを判断できます。 これは怪我を負った野生のゾウの治療に大きな影響を与える可能性があり、いつ処置をするかを決定できます。

 

超音波装置の主要用途の 1 つは、生殖評価です。ミャンマーでは、ゾウは 17 才になるまで労働させてはならないという制限があり、妊娠することがあれば、5 年間は労役に戻すことができません。木材産業では、多くのメスのゾウが長く労働できるように妊娠を遅らされています。これはつまり最初の妊娠は 20 才を過ぎてからということになり、それによって合併症が生じることがあります。超音波装置を使用すると、妊娠期間全体を監視し、いつメスのゾウに仕事をさせることができるかを検証して、合併症が発生することを予期したりそれに対処したりできます。

メスのゾウを監視し、その生産力レベルや繁殖サイクルを毎週の血液検査で把握することで、将来のゾウの頭数を増やすための交配の最適なタイミングを予測できます。二次生殖器を調べることにより、オスのゾウの生殖能力を評価することもできます。これはアジアゾウの絶滅を防ぐために非常に大きな影響を与える可能性があります。

 

参加者はワークショップに超音波装置の何の知識も持たずに参加しましたが、その用途を学び、システムを直接使う機会を得ることができました。今回のコースの成功により、インドで類似のワークショップを主催するように招待されました。そこでは新しいゾウのモバイル診療所を開設することが予定されており、POCUS はその仕事にとって絶大な資産となると確信しています。

私たちをもてなしてくださった仲間たちと、装置をミャンマーまで持ってきてインドや東南アジアのゾウたちの健康と将来の命に役立つ超音波装置の潜在的なメリットを示すことが出来た、計り知れない価値がある SonoSite システムのポータブル性に、心より感謝いたします。

 

家畜用途の SonoSite 超音波診断装置について調べる

動物医療が予測可能になります。獣医の皆様向けに耐久性や信頼性が高く、ポータブルで使いやすい超音波システムである SonoSite に是非ご注目ください。 

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